

困難を乗り越え、次の100年へ
2006-2026
7
2020/1/22
(概要)当社は、米国カリフォルニア州に本社を置くQromis, Inc.と窒化ガリウム(GaN)基板関連技術のライセンス契約を締結し、GaN基板および関連製品の開発を本格的に開始したことを発表した。この契約により、当社はQromis社の先進技術を活用し、製品ラインアップを拡充することを目指した。
(経緯)当社は100%子会社である信越半導体と連携し、従来からパワー半導体や高周波半導体向けのシリコンウエハーに加え、Silicon on Insulator(SOI)ウエハーやGaN on Siliconウエハーなどの基板を開発・販売してきた。GaNを用いたパワー半導体は、電気自動車(EV)の発展や5G通信をはじめ、社会におけるデジタル化の進展を背景に、高性能かつ省エネルギーを両立するものとして大きな期待が持たれるようになった。当社はQromis社の技術をベースに技術開発を進めることで、これらの分野での需要拡大に対応し、次世代パワー半導体市場における競争力を高める戦略を推進。この契約を通じて、既存の製品群に加え、Qromis社の技術をベースとした高品質なGaN基板および関連製品の開発・提供を強化し、多様な顧客ニーズに応えた。
2020/2

エチレン工場(2020年4月)
(概要) 当社の100%子会社であるシンテック社(米国)は、塩ビ樹脂(PVC)の主原料の一つであるエチレンの生産工場を新たに稼働させた。シンテック社ではこれまでエチレンを全量外部から調達してきたが、新工場の稼働により約半分を自社内で生産できる体制を構築、原料調達の安定化を実現した。
このエチレン工場は当社グループ初のエチレン生産拠点であり、また日系企業が米国でエチレンを生産するのも初の試みであった。工場の立ち上げは大きなトラブルなく順調な稼働開始となった。
(意義)このエチレン工場の稼働は、シンテック社の塩ビ事業のさらなる飛躍に向けた重要な一歩となった。工場では安全確保を最優先にしつつ、高稼働と生産性向上に努め、コロナ禍の厳しい環境下でも安定した生産活動を維持し続けた。また、シンテック社では、この後もPVC生産能力の増強に向けた取り組みが進められた。
2020/2/4

マイクロLEDディスプレイ製造用材料のサイトより
(概要)当社はマイクロLEDを用いたディスプレイの製造工程で使用される新たな材料を開発し、この日、正式に上市した。この新材料は、マイクロLEDディスプレイメーカーの生産性向上と競争力強化に資するもの。マイクロLEDディスプレイは微小なLED素子を各画素に配置した自発光ディスプレイで、高いコントラスト、明るさ、信頼性、省エネルギー性が特徴であり、「究極のディスプレイ」と呼ばれた。マイクロLEDディスプレイの製造では、テレビやスマートフォンなどの幅広い用途に適用するために、工程の効率化、プロセス時間の短縮、歩留まりの向上が大きな課題となっており、当社の開発した新材料は、超平坦な基板上に粘着剤を使わずドライな接着層を形成する技術を含み、製造工程の効率化と高品質な製品の安定供給に貢献するものであった。この新材料の上市とともに、当社は顧客の多様な要望に応えるために今後も製品展開を継続していく方針を示した。
また、当社は上市後もマイクロLEDチップの移送部品のラインアップ拡充に注力し、精密加工された合成石英ガラス基板上にシリコーンを製膜する独自技術(EZ-PETAMPシリーズ、SQDPシリーズなど)を開発。さらに、グループ会社の信越エンジニアリングは、独自のレーザーおよびステージコントロール技術を活用し、簡素な転写で高速かつ正確にマイクロLEDチップを移送できる装置を開発するなど、当社グループとしてマイクロLEDディスプレイの製造効率と歩留まり向上に寄与し、業界の競争力強化に大きく貢献した。
2020/2/26
(概要)2020年2月26日に当社は「新型肺炎全社対策本部」を設置した。これは、新型コロナウイルス感染症の拡大に対応するための社内組織で、社内の感染防止策や業務継続計画の策定を目的とした。同 対策本部は設置後、状況の変化に応じて名称を「新型コロナウイルス全社対策本部」へと改称。感染症対策の強化と情報共有を図った。これにより、社内の各部署が連携して迅速に対応策を実施し、従業員の安全確保と事業の継続を両立させた。
2020年4月7日に政府が緊急事態宣言を発令した際には、本社地区では出勤者数を通常の1/4に削減し、在宅勤務(テレワーク)を推進するなどの対応策を実施し、感染リスクの低減と業務の効率的な継続に努めた。
2020/4

自治体に届けたコロナ支援物資
(概要)当社100%子会社である信越半導体の国内工場と3加工会社は、新型コロナウイルス対応に追われる医療関係者の感染防止を支援するため、防塵服、防護服、防塵フード、靴など合計約1700個の支援物資を寄贈した。また、4月から5月にかけて、各工場やグループ会社の工場長、事務および総務部門の関係者が県庁や市役所、医師会に出向き、支援物資を手渡すとともに情報交換を行った。
さらに信越半導体の白河工場(福島県)では、新型コロナウイルス対策として次亜塩素酸ソーダ水溶液600リットルを白河市に寄贈。6月2日に白河市役所で小野澤工場長から鈴木市長へ目録が手渡され、市内各所に配布する水溶液は、当社直江津工場(新潟県)が協力して0.1%濃度に希釈し、20リットル容器に小分けした上で白河工場へ届けられた。これは6月1日には白河市内の小中学校へ配布され、市長からは「たいへん有用なものを最も必要な時期にすぐに使える状態で寄贈いただいたことは誠にありがたい」と感謝の意が示された。
当社群馬事業所(群馬県)も、新型コロナウイルス対策として次亜塩素酸ソーダ水溶液(0.1%濃度)20リットル容器入り90本を安中市に寄贈。6月3日に安中市役所で贈呈式を行い、佐藤事業所長が茂木市長に容器入り水溶液の一部を手渡した。また、福島県西郷村にも400リットルの寄贈、6月18日に贈呈式が開催された。
2020/5/19
(概要)塩ビ工業・環境協会(VEC)は、第23回通常総会を新型コロナウイルス感染拡大防止のため書面審議にて開催し、当社の斎藤恭彦代表取締役社長を会長に、副会長には東ソー株式会社の桒田守上席執行役員を選任した。
斉藤社長は会長就任の挨拶で、塩化ビニル樹脂(PVC)が持つ耐久性、加工性、経済性、環境貢献の優れた特徴に触れ、持続可能な開発目標(SDGs)に貢献している点を強調。特にPVCの耐久性が限りある地球資源の効率的利用に寄与し、樹脂サッシの普及が住宅の省エネルギー化の促進につながり、温暖化ガス排出削減に貢献して点を指摘。さらに、塩ビ産業の益々の発展に尽力する決意を表明して、協会の会員とともに力を結集して業界の健全な成長を推進する方針を示した。また、国内外でのPVC需要が底堅く堅調に伸びているとの見解を示し、今後もPVCの優れた素材特性を活かした事業展開を図る意向を明らかにした。
2020/5/27

白金を低減したシリコーンの用途例
(概要)当社は、シリコーン剥離剤に用いる白金の使用量を従来の約2分の1に低減できる「低白金反応硬化技術」を開発し、同技術の製品化を進めていることを発表した。これはシリコーンに高い反応性を示す構造を導入することで、白金の使用量を約半分に抑えながら硬化性能を維持できる技術で、従来の白金触媒による低温高速硬化型シリコーン剥離剤の特長を損なわず、感熱紙など耐熱性の低い基材にも適用可能な製品開発を可能とした。発表時、すでに試作品の出荷を開始しており、顧客から良好な評価を得ていた。白金は高価で希少な金属であり、資源の枯渇問題が懸念されていたため、白金使用量の低減は省資源化に大きく寄与するものであった。
(意義)シリコーン剥離剤は紙やフィルムなどの基材にコーティングされ、シールやラベル、粘着テープの剥離紙や剥離フィルム、工程用離型紙など幅広い用途に使用されるもの。当社はこの新技術を通じてきめ細かな顧客対応を強化し、多様化する市場ニーズに応える姿勢を示した。
2020/7/29

シリコーンエマルジョン
(概要)当社は、新しいタイプのシリコーンエマルジョンを開発した。これは、EUのREACH規則に対応して特定のシロキサンの含有量を0.1%未満に低減することを目的としたもの。当社の高度な精製技術を用いることで、従来の製品と比較してシロキサン含有量を大幅に低減すると同時に、エマルジョンの安定性も向上させることに成功した。特に乳化重合法における低分子環状シロキサンの副生を抑制し、低VOC(揮発性有機化合物)仕様のエマルジョンを実現した。特定のシロキサンは健康や環境に問題をもたらすものではなかったが、規制動向と顧客の要望に応えるために新製品の開発に踏み切った。
(背景) この新製品は、シリコーン事業本部の営業第一部やシリコーン電子材料技術研究所のオイル二次開発室の協力のもと開発された。この発表を契機に、当社は国内外での販売拡大を目指し、環境規制に適合した高機能シリコーン製品の市場展開を推進。これにより、顧客の多様なニーズに応え、持続可能な製品開発の一翼を担った。
2020/9/28

二次加硫不要シリコーンゴム
(概要)当社は液状型に続き、ミラブル型でも二次加硫を必要としない成形用シリコーンゴムの開発に成功したことを発表した。ミラブル型とは、加硫材などを混錬して成形する固形状のシリコーンゴムで、従来は一次加硫後に成形品に残存する低分子シロキサンや加硫剤の分解物を除去するために二次加硫処理が必要だった。新たに開発されたシリコーンゴムは、低分子シロキサンの含有量を大幅に低減し、一次加硫時に副生成物が発生しない付加反応型の材料を採用したことで、二次加硫工程を不要とした。二次加硫を不要としたのは業界初の快挙といえた。この革新的な製品により、加工時間を大幅に削減し、顧客の省エネルギーと生産性向上に大きく貢献することとなった。
2020/10/5

丸の内永楽ビルディング
(概要)2020年10月5日に、朝日生命大手町ビルに所在していた本社の6部門(企業開発部、環境保安部、技術部、研究開発部、業務監査部、特許部)が丸の内永楽ビルの20階へ先行移転し、業務を開始した。これは本社地域の再開発に伴う移転計画の一環であった。新たなオフィスでは、部門別フリーアドレス制を採用し、オープン型の打合せ席やフリースペース席を設けることで部門間や社員間のコミュニケーションにも配慮し、全ての応接室と会議室にはWEB会議用のモニターを設置。業務遂行の効率化が図られた。
2020/11/18

成形用シリコーンゴム
(概要)新たに開発された低密度タイプの成形用シリコーンゴムは、液状シリコーンゴム射出成形システム(LIMS)による成形が可能なもので、LIMS用材料としては業界初となった。従来の発泡剤を用いたスポンジ状成形とは異なり、発泡剤の添加を不要とした点に特徴があり、品質および生産性の向上に寄与するものであった。製品は低密度・高強度タイプと超低密度タイプの2種類が用意されており、自動車や航空機などの輸送機器、ウェアラブル端末など多方面での軽量化ニーズに応え、シリコーンゴムの用途拡大に寄与した。また、この新製品は環境負荷低減にも貢献し、当社のカーボンニュートラル推進の一環となる製品と位置づけられた。軽量化による省エネルギー効果が期待されるほか、LIMS成形の自動化や工程短縮、ノーバリ・ランナーレス成形の実現により、製造工程の効率化と環境負荷の低減を両立させた。
2020/12/1

SLKシリーズ
(概要)次世代通信規格「5G」の本格的な普及に対応する新規製品、熱硬化性低誘電樹脂「SLKシリーズ」の量産化に向け、当社は年産80トンの生産能力を確保する設備投資を発表。投資額は約30億円で、2021年中の稼働を目指した。
「SLKシリーズ」は、フッ素樹脂に迫る低誘電特性を持ち、高強度かつ低弾性の熱硬化性樹脂。誘電率の低減が課題となっていた熱硬化性樹脂において、これを高周波数帯(10~80GHz)で誘電率2.5以下、誘電正接0.002以下と極めて低レベルに抑えることに成功し、5Gの高周波帯域で使用される電子デバイスや回路基板、アンテナ、レーダードーム用途に利用できるものとした。また、低吸湿性であり、低粗度の銅箔に対しても高い接着力を有するため、フレキシブル銅張積層板(FCCL)や接着剤などへの使用にも適したものなった。これらの性能により、高速通信基板のバインダーや接着フィルムとして顧客での良好な評価を得た。
2020/12/8
(概要)当社は、2020年12月8日に「パートナーシップ構築宣言」を公表した。この宣言は内閣府および中小企業庁が提唱したもので、下請事業者との適正な取引の促進を目的としている。なお、翌2021年1月19日時点では、化学メーカー9社を含む806社がこの宣言を行っていた。
宣言の主な内容は、サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列を超えた新たな連携の推進、下請中小企業振興法に基づく「振興基準」の遵守で、価格決定方法、型管理などのコスト負担、手形などの支払条件、知的財産・ノウハウの保護、働き方改革に伴う負担の軽減などが含まれていた。
当社は、この宣言を(公財)全国中小企業振興機関協会が運営する「パートナーシップ構築宣言ポータルサイト」に登録し、対外的に公表した。同時に、社内においても「下請代金支払遅延等防止法」および「振興基準」に関する教育を実施し、公正な取引の徹底を図った。
2021/1/21

電気自動車向け放熱用シリコーン
(概要)自動車の電動化に伴いリチウムイオンバッテリーや電子制御装置の熱対策要求が高度化・多様化している市場環境に対応するため、当社は電気自動車(EV)およびハイブリッド自動車(HEV)向けの放熱用シリコーン材料を新たに開発した。これは、低密度・低硬度の「TC-PENシリーズ」と低硬度・高復元性の「TC-SETシリーズ」の2種類で、従来品に比べて軽量化や柔軟性を実現し、特にリチウムイオンバッテリーの熱管理に適した性能を有した。車載デバイスの発熱部と冷却部の間に挟み込むことで放熱効果を発揮。EV・HEVの高度な熱対策要求に応える放熱ソリューションとして、当社独自の技術が活かされた。世界的な自動車の電動化の加速に伴い、放熱材料の使用量と用途が拡大している中で重要な技術革新となった。
2021/2
(概要)当社子会社である信越電子材料股份有限公司は、台湾雲林県で第2工場の建設を進め、2021年2月に工事を完了させた。新工場はトライレイヤ製品と先端レジスト製品の生産を目的としており、コロナ禍の影響を受ける中で、計画通りに順調に工事を進めることができた。この 第2工場の完成に伴い、信越電子材料股份有限公司は本格的な生産開始に向けて顧客認定手続きを迅速に終え、フォトレジスト事業の海外拠点としての生産能力が大幅に強化。需要の増加に対応できる体制を構築した。
(意義)新工場は、台湾の需要地における生産拠点の複数化を実現し、半導体製造プロセスの高度化に対応するための技術力と生産能力を強化することで、当社グループの半導体関連材料の供給安定性向上に寄与することとなった。
2021/5/17

パーソナルケア用シリコーンオイル
(概要)当社は新しいタイプの揮発性シリコーンオイル「KF-4422」を開発した。これは、ジメチルシリコーンオイル(化粧品表示名称:ジメチコン)の分子構造のメチル基の一部をエチル基に置換した高純度の揮発性シリコーンオイル。揮発性を有するため、シリコーン特有の軽くサラっとした使用感が得られる。揮発速度は従来品の「KF-995」と「KF-96L-2CS」の間に位置している。従来品と比較して炭化水素油や紫外線吸収剤との相溶性に優れており、シリコーン系皮膜形成剤との併用により高い耐水性を付与できる点が特長。揮発性シリコーンオイルはスキンケアやメイクアップ、日焼け止めなどの各種パーソナルケア用品に広く使用されており、同製品はこれらの製品の使用感を大幅に改善するなど、パーソナルケア用品の高機能化・高品質化に貢献するもので、顧客の多様な要望に応えることとなった。
2021/6/29
(概要)当社は同年4月28日の取締役会で執行役員制度の導入を決定し、定款の一部変更を株主総会に付議。2021年6月29日に開催された第144回定時株主総会において正式に決議した。 執行役員制度の導入により取締役会は構成を見直し、社外取締役の比率を高めて第144回定時株主総会終結時は、取締役は11名(社内6名、社外5名)となり、新たに常務執行役員に5名、執行役員に5名が就任した。
2021/6
(概要)当社100%子会社のシンエツシリコーンズオブアメリカ(SESA、米国)は、2021年6月にオハイオ州環境保護局(OEPA)から優秀環境対策奨励賞(Encouraging Environmental Excellence、E3賞)を受賞した。E3賞は、環境スチュワードシップ(※)に優れた実績を持つ組織に贈られるもの。SESAは、環境適合性の確保、汚染防止策の徹底、エネルギー効率の向上、リサイクル計画の推進、再生可能エネルギーの活用促進など多角的な環境対策を実施しており、経営陣の強いコミットメントと従業員の積極的な参加を得て、継続的な改善活動を展開。ライフサイクルアセスメントを通じて環境負荷の全体的な低減を図るなど、法令遵守を超えた環境負荷低減の取り組みや、天然資源の保護、持続可能な経済的利益の創出に寄与した点が評価された。
※環境スチュワードシップ 環境に関する「受託責任」を自覚し、責任を持って環境の保全や持続可能性を確保した活動を進める取り組み。
2021/7/1

カーボンニュートラルに貢献
(概要)当社はシリコーン事業において、カーボンニュートラルに貢献する取り組みを強化し、温室効果ガス排出量の削減に資する総額200億円の投資を実施することを明らかにした。これはシリコーン製造工程の効率化を進めて環境負荷の低減を図るもので、持続可能な社会の実現に向けた重要な施策として位置づけられた。同時に、カーボンニュートラルに貢献するシリコーン製品の開発と供給能力の増強を推進こととし、環境配慮型製品の品揃えの拡大を含めSDGsの課題解決や持続可能な社会の実現に向けた取り組みをシリコーン事業本部や国内外のグループ各社が連携して加速させた。
2021/10/26

マイクロLEDディスプレイ用エキシマレーザーマストランスファー装置
(概要) 当社は、マイクロLEDディスプレイの製造で使用される移送部品および移送装置を一式で顧客に供給する体制を整えた。この体制は、製造工程における移送プロセスの複雑さや歩留まりの改善を目的としており、ワンストップソリューションプロバイダーとして幅広い顧客の課題解決に取り組むものであった。 供給体制には、移送部品から製造装置までが含まれており、当社グループの技術を結集して開発された各種移送部品や装置が一括で提供された。これにより、ウエハーからバックプレーンまでのマイクロLEDチップの一貫移送が可能となり、工程の大幅な短縮と効率化が実現された。
さらに、当社はContact-LLO(接触型レーザーリフトオフ)とGap-LLO(非接触型レーザーリフトオフ)の両方に対応した製造装置と移送部品を取り揃え、多様なニーズに応じた移送プロセスの提案が可能となった。この取り組みは、省エネルギーかつ高品質な映像体験を提供するマイクロLEDディスプレイの普及と市場拡大に貢献した。
2021/10
当社100%子会社のシンエツシリコーンズヨーロッパ社(オランダ)は、現地の産業や顧客ニーズに迅速かつ的確に対応するための拠点としてハンガリーのジェール市に支店を開設した。ジェール市はハンガリー北西部に位置し、オーストリアのウィーン、スロバキアのブラチスラバ、ハンガリーのブダペストに囲まれた交通の要衝。 支店開設により、シリコーン製品を中心に欧州市場へのサービス向上を促進し、地域特性や文化を踏まえて顧客の多様な要望に応える体制を強化して欧州での競争力を一層高めた。
2021/11/1

丸の内永楽ビル
(概要)朝日生命大手町ビルから丸の内永楽ビルへの本社の移転は、2020年10月に本社の6部門が先行して実施後、全部門が段階的に移転し、2021年11月1日に正式な登記が行われて完了した。この移転は本社地域の再開発に伴うもので、新本社オフィスでは、ペーパーレス化の推進や新しい働き方を目指した環境が整備された。なお、それまで本社を置いていた 朝日生命大手町ビルは1971年8月21日に入居を開始して以来、約50年間にわたり本社機能を担ってきた歴史あるビルであった。
2021/12/20

ウエアラブルデバイス向け材料
(概要)当社は、心拍数や心電波形などの生体情報を身体に装着したまま測定し送信するウエアラブルデバイスの性能向上に寄与する「生体ドライ電極」と「高伸縮性配線材料」を新たに開発した。この新材料により、ウエアラブルデバイスの機能性、装着性、使いやすさが飛躍的に向上し、使用者の生活の質(QOL)を高めることが可能となった。
健康管理意識の高まりや在宅治療の必要性増加に伴い、ウエアラブルデバイスによる生体情報の測定機会が増加していた。特に24時間以上肌に直接装着して生体情報を取得するヘルスパッチでは、装着者に不快感やストレスが生じやすく、長期間の測定では生体信号の取得が不安定になる問題があった。
新材料はこれらの課題に応えるもの。「生体ドライ電極」は生体適合性に優れたシリコーンをベースに設計され、生体信号取得の入り口として機能。また「高伸縮性配線材料」は長時間の装着でも伸縮に耐え、信号の安定伝送を実現した。これらがウエアラブルデバイスの装着感を改善し、長期連続使用を可能にすることで、医療や健康管理分野での応用拡大に貢献した。
2021/12

2021年12月プラケマイン一貫工場完工
(概要)当社100%子会社のシンテック社(米国)は、ルイジアナ州プラケマインにおいて、塩から塩化ビニル樹脂(PVC)を生産する一貫工場の増設工事を進めていたが、2021年12月に新工場の増設が完工した。新工場のPVCの年産能力は29万トンに達し、これによりシンテック社の総合的なPVC年産能力は324万トンに拡大した。この増設工事は、塩ビモノマー(VCM)や苛性ソーダの生産能力も大幅に増強するものであり、新工場の苛性ソーダの年産能力は26万トンに達した。増設によってシンテック社はPVCだけでなく、原料の一つである苛性ソーダの安定供給体制も強化し、製品の一貫生産体制をさらに充実させた。 同増設の建設投資額は約14.9億ドルで、シンテック社は自己資金でこの大規模投資を賄った。新工場の完成により、シンテック社は世界最大のPVC生産能力を有する企業としての地位をさらに強固にし、今後の市場拡大に向けた基盤を築いた。
2022/1/14

財界賞贈呈式で挨拶をする金川会長
(概要)「財界賞」は、経済誌「財界」を発行する財界研究所が創設し、1950年度から続く歴史ある表彰で、グローバルに社会に貢献し、広く日本経済を牽引した経済人に贈られている。その第66回財界賞(2022年度)に当社の金川千尋会長が選ばれた。「塩ビで一大投資を敢行し、最適なサプライチェーンを構築。世界屈指の競争力を持つ事業に育成した」ことなど、金川会長の経営手腕と業績が評価されたもの。2022年1月14日に開催された贈呈式は、オンラインでも配信され、多くの関係者や一般視聴者が参加した。
2022/2/16

シリコーンで800億円の投資
(概要)当社の主力事業の一つであるシリコーン事業において、高機能シリコーン製品群を中心に800億円を超える大規模な生産能力増強投資を実施すると発表した。投資対象は、群馬県安中市の群馬事業所、福井県越前市の武生工場、新潟県上越市の直江津工場をはじめ、韓国、中国、台湾、米国の4カ国にある拠点の国内外工場に及び、製品はオイル系、レジン系、ゴム系の最終製品で、省エネルギーや生産性向上を実現する新設備の導入も含まれていた。これら高機能製品を中心に高まっている幅広い分野でのシリコーン材料への需要に対応するもの。
(成果)能力増強投資は2025年までに順次完成。新規設備には二次加硫不要成形用シリコーンゴム設備やマイクロLED関連材料の試作設備が含まれ、環境負荷低減や先端技術への貢献も重視したものとなった。これにより、当社は高機能シリコーン製品の旺盛な需要に対応する体制を強化し、持続可能な社会の実現に寄与した。
2022/3/2

エコレールマーク
直江津工場(新潟県)と当社100%子会社の直江津産業は、公益財団法人鉄道貨物協会から「エコレールマーク」の認定を取得した。これは鉄道を利用した輸送によって環境負荷を低減し、CO2排出量削減に貢献している企業として認められたもの。直江津工場はJR貨物黒井駅に隣接している利点を活かし、以前から製品のモーダルシフトを推進していたため、年間鉄道利用数量の認定条件を満たし、取り組み企業として認定された。また、直江津産業は輸送・流通に関わる協賛企業として認定を受けた。
(エコレールマーク)国土交通省が主導し2005年に創設され、鉄道輸送のCO2排出量が他の輸送手段に比べて著しく少ないことを評価し、鉄道輸送を推進する企業や商品に対して認定を行うものである。環境にやさしい鉄道輸送の製品であるという情報を消費者に提供することを目指す制度で、認定を受けた企業は、ESGやSDGsの活動の一環として環境への取り組みを社会にアピールできる。
2022/3/30

一液型液状シリコーンゴム
(概要)当社は、新規硬化タイプの一液型液状シリコーンゴム「KCPシリーズ」の新製品を開発した。これは空気中の水分と反応して室温で硬化し、硬化後は耐熱性、耐寒性、電気特性、耐候性などの優れた特性を兼ね備えたもの。従来品と比較して硬化特性や安全性、取り扱い性を大幅に改善し、硬化速度が速く接着効果も早期に現れるため、作業効率の向上に寄与。さらに、硬化時に発生する臭いが少なく安全性が高いこと、引火点が70℃以上と高いため輸送や貯蔵時の取り扱いが容易になった。電気自動車(EV)部品や半導体、電気・電子部品の接着・シール材、コーティング材としての利用が期待された。また、室温硬化により加熱炉や紫外線照射設備が不要となり、環境負荷の低減にも貢献した。「KCPシリーズ」は粘度別にKCP-100(低粘度)、KCP-101(中粘度)、KCP-102(ペースト状)の3製品を取り揃えていた。
2022/3/31
(概要)2022年3月期の当社連結決算において、売上高が前期比38.6%増の2兆700億円となり、初の2兆円台を達成した。また、営業利益6,763億円(72.4%増)、経常利益6,944億円(71.4%増)、当期純利益5,001億円(70.3%増)と、いずれも過去最高を更新し、1株当たり当期純利益は1,204円となった。
(背景) 世界経済が5%強の成長を示したが、主要経済圏はパンデミックや供給混乱、物価圧力などの課題に直面していた。当社グループは環境変化に俊敏に対応し、従業員の健康と安全を最優先にしながら高操業の維持と安定供給を確保。顧客との意思疎通を密にし、価値ある製品の開発と揺るぎない品質の製品供給を推進することで、業績向上を達成した。また、当社100%子会社であるシンテック社(米国)が堅調に業績を伸ばし続けたことも連結業績の大幅な伸長に貢献した。
2022/4/13

高電圧化が進む電動車向けシリコーンゴムシート
(概要)当社は、電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HEV)などの電動車部品の高電圧化に対応するため、新たに放熱用シリコーンゴムシート「TC-BGIシリーズ」を開発した。EVやHEVにおける部品の小型化・軽量化・高出力化が進む中で、システム電圧の高電圧化に対応した熱対策材料の需要が高まっており、「TC-BGIシリーズ」は、これに応えるもの。当社独自の技術により高い耐電圧特性と熱伝導性を兼ね備えた高硬度の放熱用シリコーンゴムシートで、厚みは0.2mmと0.3mmの2種類をラインアップ。特に、厚み0.2mmで3kV、0.3mmで5kVの耐電圧をシート全面で保証し、さらに0.2mm厚で4kV以上の耐電圧を保証する製品の開発も進めていた。これらの製品は、7W/m・Kという高い熱伝導率を有し、高硬度かつ高強度であるため、従来のパッドタイプに比べて作業性に優れ、非シリコーン系材料と比較すると長期信頼性にも優れており、自動車の性能と信頼性向上に寄与する放熱材料として期待された。
2022/5/18

GAN成長用基板
(概要)当社は、窒化ガリウム(GaN)関連基板およびエピタキシャル膜製品の事業化を加速するため量産体制を拡充。GaN基板の供給能力を強化し、エネルギー効率の高い持続可能な社会の実現に貢献することを目指した。当社は2019年に米国のQromis, Inc.と高品質で反りが小さいGaN成膜が可能な基板材料「QST™基板」のライセンス契約を締結。この技術を活用して事業化を推進してきた。QST™基板はGaN成膜に適した特性を持ち、従来のSi生産ラインを活用できるため、大口径化による生産コストの低減が期待された。この 量産体制の拡充により、当社はGaN基板およびエピタキシャル膜製品の市場ニーズに応え、パワー半導体や高周波半導体向けの製品開発を加速。GaNを用いた次世代半導体デバイスの普及促進を図り、低炭素社会の実現にも貢献する技術開発を推進した。
2022/6/15
(概要) 当社の「マイクロLEDチップの一貫移送プロセス」が、2022年6月15日に電子デバイス産業新聞が主催する「第28回 半導体・オブ・ザ・イヤー2022」において優秀賞を受賞した。電子デバイス産業新聞は電子材料業界の専門紙であり、この賞は最新のエレクトロニクス製品の開発において社会に大きく貢献することが期待される製品や技術に贈られるもの。
当社はマイクロLEDディスプレイの製造に用いられる移送部品および移送装置を一式で提供可能な体制を整え、シリコーンや石英を材料とした移送部品と、信越エンジニアリングが開発した移送装置を組み合わせた独自の一貫移送プロセスを構築した。これによりマイクロLEDチップの高速かつ高精度な移送を実現し、製造工程の歩留まり向上に寄与した。こうした技術革新とともにグループ企業で装置と材料をトータルに提案した点が過去に例を見ない取り組みとして選考委員から高く評価され本賞の受賞に至った。(マイクロLEDチップ一貫移送プロセスについたは2020年2月4日の記事も参照)
(反響)2022年6月15日には表彰式が開催され、電子デバイス産業新聞の編集長による講評の後、会場に集まったマスコミや電子材料業界の関係者を前に、当社の小川マネージャーが受賞技術の詳細のプレゼンテーションを行った。この受賞は、マイクロLEDディスプレイ市場の拡大に向けた当社の技術的貢献を社会に示す重要な機会となり、その後の事業展開に大きな弾みをつけた。
2022/7/1

高強度無機薄膜コーティング液
(概要)当社は、住宅やビルの建材用途を想定した抗菌・抗ウイルス機能を有する高強度無機薄膜コーティング液「Tersus® RN(テルサス・アールエヌ)」を開発した。 これは、当社独自のシリケート(ケイ酸塩)成分を基盤に、酸化チタンおよび銀のナノ粒子を活性成分として配合した無機薄膜コーティング液で、新型コロナウイルスをはじめとするウイルスの抑制効果を実現し、建材表面の衛生環境向上に寄与するもの。建材の表面に透明で自然な仕上がりの薄膜を形成し、意匠を損なわずに抗菌・抗ウイルス効果を付与することを可能にした。
同製品は2022年7月14日・15日に東京で開催された「ビルメンテナンスフェアTOKYO2022」、同年10月の「ビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO2022」に出展され、抗菌・抗ウイルス性に優れた高強度無機薄膜コーティング液として広く紹介された。
2022/7/6

ミニLEDディスプレイ
(概要)当社は、台湾の財団法人工業技術研究院(ITRI)と共同でミニLEDディスプレー向け封止材を開発した。これはミニLEDディスプレーの細密実装された素子基板への封入性に優れ、短時間で硬化し成型時の接着性も高い特性を持つ封止材で、ITRIはリジット、フレキシブル、透明タイプなど多種のディスプレーで信頼性評価を行い、全ての基準を満たす透明封止材の完成を実証。ITRIが開発した多種のミニLEDディスプレーに適応可能であることが確認され、市場向けにサンプル出荷を開始した。
同封止材は、ピクセルピッチ0.25mmおよび0.75mmのミニLEDディスプレーに適用され、多様なディスプレーデザインに柔軟に対応。「Touch Taiwan 2022」など展示会でも積極的に紹介活動を進め、その市場拡大を進めた。
2022/10/6

耐水コーティング材の使用例
(概要)当社は、段ボールなどの紙製品に耐水性を付与し、リサイクルを飛躍的に促進する新製品「Sicle™(サイクル)」を開発した。この新製品は、ケイ素と酸素を主成分とするコーティング材であり、従来の耐水コーティング材や耐水フィルムのように分離工程を必要とせず、環境負荷を抑えたリサイクルを可能にするもの。透明でありながら高い耐水性を持ち、紙製品の油や水の染み込みを防止することができ、食品包装などにも適用できる。本製品の主材料は、電子部品用の封止材やコート材として開発されたもので、新たに紙製品の循環利用促進という全く新しい分野に応用するため、市場動向や評価方法の調査に注力し、製品化に成功した。
(反響)発表後、「Sicle™」は紙製品メーカーや物流会社から多数の問い合わせを受け、量産に向けたサンプル評価や用途開発が進められた。翌2023年2月には、同製品が技術開発性や社会的インパクトの高さを評価され、業界の新製品・サービスの中で表彰されるなど、持続可能な社会の実現に貢献する製品として高い評価を得るに至った。
2022/10/14

シリコーン被膜形成エマルジョン
(概要)当社は、繊維処理用途向けに業界初となるシリコーン皮膜形成エマルジョンの開発を正式に発表した。この新製品は、従来のシリコーン皮膜形成エマルジョンでは実現できなかった不要な低分子シロキサンの低減を可能にした低VOC(揮発性有機化合物)エマルジョンであり、環境負荷の軽減に寄与するもの。カチオン性(陽イオン性)を有しており、従来のアニオン性(陰イオン性)製品では付与できなかったカチオン性成分への皮膜形成機能を実現した。これにより、繊維処理工程で多用されるカチオン性薬剤との相性が向上し、処理槽内での安定性が高まったため、作業性の大幅な改善が図られた。
また、本製品は柔軟で優れた伸びを示し、特に耐久性に優れていた。洗濯処理後も繊維表面の吸水性を維持できる皮膜形成性を持ち、繊維の機能性向上に貢献した。これにより、繊維製品の品質向上と長期的な使用に耐える性能を両立させることに成功し、国内外の市場拡大を目指した。
信越化学に関する質問に自動でお答えします。
短い文章で入力してください。
AIのため、回答が正確でないことがあります。