信越化学工業は創立100周年を迎えました信越化学工業は創立100周年を迎えました
第6章

困難を乗り越え、次の100年へ

経営体制の刷新と東日本大震災

2006-2026

この章で知れること

  • 東日本大震災やコロナ禍などの危機を乗り越えた信越化学の姿
  • シンテックでのエチレンの生産開始、56年ぶりの国内工場建設など新たな取り組み
  • 連結売上高2兆円、連結経常利益5千億円の達成

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経営体制の刷新と東日本大震災

2010/6/11

当社とシンテック社の収益にかかる移転価格税制の適用についての相互協議が合意に達した旨の通知を国税庁から受領

  1. (概要)当社は2002年3月期から2006年3月期までの5事業年度において、東京国税局から国外移転所得金額約233億円に関する移転価格税制に基づく更正処分を受け、追徴税額合計約110億円を2008年2月に納付したが、当社はこの更正処分を不服として異議申し立てを行うとともに、二重課税の排除を目的に国税庁に日米相互協議の申し立てを行った。
     これにより日米租税条約に基づき日米両当局間で協議に付された当社と米国子会社シンテック社の収益にかかる移転価格税制の適用について、この日、相互協議が合意に達した旨の通知を国税庁から受領した。この合意により、二重課税が回避され、国外移転所得金額は約39億円に減額された。この結果、当社は東京国税局より追徴税額にかかる減額更正を受け、シンテック社も米税務当局から減額更正を受ける見通しとなった。還付税額は還付加算金を含めて日米合計で約119億円と試算され、同社の税務負担の大幅な軽減が実現した。

2010/6/29

金川千尋、代表取締役会長に就任。森俊三、代表取締役社長に就任

  1. (概要)同年5月20日に開催された当社取締役会において、金川千尋社長が代表権を持つ取締役会長に就任し、森俊三副社長が代表取締役社長に昇格する人事が内定。6月29日に開催された定時株主総会終了後に行われた取締役会の決議により、同日に両者がそれぞれの役職に正式に就任した。
    (金川会長の略歴)1926年生まれ。1950年に東京大学法学部政治学科を卒業後、極東物産(後の三井物産)に入社し、1962年に信越化学工業に転じた。1975年に取締役に就任し、1983年に副社長、1990年に社長に昇格。優れた経営手腕を発揮して、当社を国際的に評価される化学メーカーへと導いた。会長就任に当たっても、代表権を持つ会長として引き続き経営に深く関与することが求められ、金川会長はその後も会社の持続的成長と企業価値向上に貢献した。
    (森社長の略歴)1937年生まれ。1963年に信越化学工業に入社し、長年にわたり現場や管理部門で経験を積み、2009年に副社長に就任。社長就任後は、国内外の事業拡大や環境貢献を重要課題とする金川会長の経営方針のもとで、当社の一層の発展に寄与した。

2010/7

中国江蘇省南通市に信越有机硅(南通)有限公司を設立

中国江蘇省南通市に設立した信越有机硅(南通)

  1. (概要)新会社「信越有机硅(南通)有限公司」は、シリコーン製品の製造と販売を目的とし、中国市場におけるシリコーン事業の拡大を目指したもの。南通市は上海から約100km北西に位置し、蘇通大橋の開通により上海との陸続きの交通が可能となった利便性の高い工業団地であった。この信越有机硅(南通)有限公司は、主にシリコーンゴム製品の現地生産を行うため、2012年に工場を完成させた。中国市場の需要増加に対応するための重要拠点と位置づけられ、年間の販売金額の見込みは約100億円。当初は汎用ゴムを中心に製造を行い、順次製品群を拡大していくものとした。操業後は、シリコーンエラストマー製品の製造および安定供給に取り組み、当社グループの中国市場での競争力を強化し、現地ニーズに即した高品質な製品提供を実現。さらに、中国内の顧客に対して他社にない性能の製品を提供し、信頼を獲得した。

2010/10/25

信越化学工業80年史が㈶日本経営史研究所の「優秀会社史賞」を受賞

  1. (概要)経済産業省所管の財団法人日本経営史研究所が主催する「第17回優秀会社史賞」で、当社の「信越化学工業80年史」が優秀会社史賞に選ばれた。これは過去2年間に発行された126社の社史の中から3社が選定され、授与された権威ある賞で、信越化学工業にとって非常に名誉ある表彰であった。
     この日開かれた表彰式には、信越化学工業を代表して幅田常務が出席し、賞状と記念品を受け取った。選考委員長の宮本又郎氏からは、同社の80年史について「信越化学の成長と発展の歴史をコンパクトにまとめてあり、読みやすい。経営の実務に携わる人や経営の研究者に有益な社史である」と高い評価をいただいた。また、 金川会長は受賞に際し、「この名誉ある賞は、信越化学の歴史を築いてこられた諸先輩方、そして現在の信越グループを支えているすべての皆さまに対して贈られたもの」と述べ、社史の編纂に協力した関係者への感謝の意を表するとともに、社員や関係者に対してこの喜びを分かち合うことを呼びかけ、社史を通じて同社の歴史を正しく理解してほしいと述べた。

2010/11/12

国連グローバル・コンパクトに参加

  1. (概要)当社は2010年11月12日付で国連グローバル・コンパクト(以下、国連GC)に正式に参加した。国連GCはアナン前国連事務総長が世界経済フォーラムで提唱し、2000年に創設されたプログラムであり、人権、労働基準、環境、腐敗防止の4分野に関する10原則を支持し実践することを目的とした取り組み。当時、世界では約8,000の企業や団体が参加し、日本国内では110社以上が加盟していた(2026年5月現在、世界で22,000以上の企業・団体、国内で670以上の企業・団体が加盟)。
     当社は参加に先立ち、2005年4月にCSR推進委員会を設置し、企業の社会的責任(CSR)に取り組んでいた。国連GCへの参加はこのCSR活動の一層の充実を図るもので、国連GCの10原則は、信越化学工業の経営方針やCSRビジョンと連動し、企業活動のあらゆる面での人権尊重、労働環境の整備、環境保護、腐敗防止の実践を具体的に推進する指針となった。特に製造工程における安全確保や環境負荷低減の取り組みが強化され、持続可能な社会の実現に向けた企業の責任を果たすための重要なステップとなった。この国連GC加盟を機会に、当社は役員および従業員に対して国連GCの10原則に則った事業活動の推進を改めて求め、グローバルな視点での社会的責任の遂行を促進した。

2010/11

中国江蘇省に信越(江蘇)光棒有限公司を設立(中国 Fasten社、蘭TKH社との共同出資、出資比率75%)

  1. (概要) 合弁会社「信越(江蘇)光棒有限公司」は、光ファイバー用プリフォームの製造・販売を目的として中国江蘇省江陰市に設立された。同合弁会社の資本金は40億円で、当社が75%、中国のJiangsu Fasten Hongsheng Group Co., Ltd.(Fasten社)とオランダのTKH Group N.V.(TKH社)がそれぞれ12.5%の出資比率で参加した(中国のFasten社は江蘇省江陰市を本拠地とし、金属製品や光ファイバー・光ケーブル、光部品を中核事業とするハイテク企業、オランダのTKH社は通信、建設設備、工業関連分野で国際的に事業を展開する技術集約型企業グループ)。両出資社との協業により、信越化学は中国市場における光ファイバー用プリフォームの現地生産体制を強化した。
     信越(江蘇)光棒有限公司は、2011年後半に江蘇省江陰市で工場の稼動を開始し、光ファイバー換算で年間800万km相当の生産能力を持つ体制を構築。これにより当社グループは、中国内の需要地の直近で生産・販売体制を確立して中国市場の拡大に対応するとともに、世界的な事業展開を加速させた。

2010/12

シンテック社、プラケマイン第1工場の第2期工事完了

  1. (概要)当社100%子会社のシンテック社(米国)は、ルイジアナ州プラケマインにある第1工場の第2期工事を完了させ、第1工場の生産能力はカ性ソーダ53万トン/年、塩ビモノマー(VCM)80万トン/年、塩ビ樹脂(PVC)60万トン/年に達した。 第2期工事の完了により、プラケマイン工場はVCMとカ性ソーダの生産能力を倍増させることに成功し、同時にPVCの生産能力も大幅に増強された。この増強は、世界的な塩ビ需要の拡大に対応するための投資で、シンテック社の競争力強化と市場シェア拡大に寄与した。これにより、シンテック社は世界の塩ビ業界におけるリーダーシップを一層確固たるものにした。
     また、この第2期工事の完了に伴い、プラケマイン工場では第1工場に隣接した敷地に、新たにPVCの原料を生産する第2工場の建設計画が進められた。シンテック社は1974年の操業開始以来、ダウケミカル社とのパートナーシップを維持し、PVCの原料となるVCMの安定調達を継続していたが、この第2工場の建設によって原料供給体制をさらに充実し、一貫生産体制の強化を図った。

2011/3/11

東日本大震災で鹿島工場、信越半導体白河工場、信越石英郡山工場、いわき半導体の設備が被災

東日本大震災で鹿島工場、信越半導体白河工場が被災

  1. (概要)2011年3月11日に発生した東日本大震災により、当社グループの各社工場設備等が地震と津波により被害を受けた。
     当社の鹿島工場(茨城県)では、液状化現象が工場周辺で発生し、構造物の破損や地表の陥没・亀裂が生じた。また、津波によって港湾設備や海水取水設備なども大きな被害を受け、長期間の操業停止を余儀なくされた。これらの被害によって、塩ビ樹脂(PVC)などの生産に大きな影響が出た。当社は安全確保を最優先として復旧工事を進め、6月にPVC 生産の完全復旧を果たした。
    当社100%子会社の信越半導体では、白河工場(福島県)は、半導体製造に不可欠なシリコンウエハー生産設備が被災。震災直後は全面停止状態が続いたが、4月20日から一部操業を再開し、段階的に復旧を進め、7月1日までに被災前の生産能力を回復することができた。復旧に際しては、緊急遮断や安全停止などの非常用設備の有効性を確認し、震災後の対応策を見直す監査も実施された。
    当社とヘラウス社(ドイツ)の合弁会社である信越石英では、郡山工場が液状化現象により設備が損傷したが、比較的軽微な被害にとどまった。また当社グループ会社のいわき半導体も被災し、操業に支障が出た。これらの工場では、被災後の安全確保と復旧作業が迅速に行われ、操業再開を目指した。当社グループでは震災による被害を受けた各工場の復旧に全力を挙げ、被災経験を踏まえた緊急対応体制の強化を図った。

2011/3/11

震災発生直後に災害対策本部を本社に設置

  1. (概要)2011年3月11日午後2時46分に発生した東日本大震災を受けて、当社は直ちに本社に災害対策本部を設置した。環境保安対策本部基準に基づき、森俊三社長が同本部長に就き、各部門の責任者が連携して対応にあたった。また、関連会社や各事業部にも対策本部が設置され、迅速な情報共有と対応を図った。

    (経過) 地震発生の翌日の3月12日までに、各工場、事業所、関連会社の被害状況の確認、従業員の安否確認を実施。鹿島工場、信越半導体白河工場、信越石英郡山工場、いわき半導体にもそれぞれ災害対策本部が設置され、従業員の安否確認、設備点検を実施した。
      3月14日には、森災害対策本部長の招集により営業、技術、管理部門合同の対策会議を開催。その後も3月15日から4月1日まで合計9回の対策会議を実施した。これらの会議を通じて被災状況の詳細把握、復旧支援策の検討、従業員の安全確保、事業継続計画など、状況の推移に対応しながら当社として適切な対応策が検討され、取りまとめられた。また、当社はこの震災を踏まえ、リスク管理体制の強化と災害対応力の向上を今後の重要課題と位置づけた。

2011/4/1

信越石英郡山工場、操業再開

  1. (概要)東日本大震災により被害を受けた当社グループ信越石英の郡山工場は、被害が比較的軽微であったため、4月1日に全従業員が揃い操業を再開することができた。震災による負傷者等の人的被害もなかったこともあり、全従業員と関係先企業が協力して復旧作業に取り組み、余震が続く中で安全を最優先にしながら操業再開に至った。
     この後、工場内の剥がれ落ちた天井や道路の亀裂などの物理的な被害も修復し、5月から本格的な稼働を開始し、通常の生産体制に戻ることができた。

2011/4/1

シンエツ シリコーンズ オブ アメリカ社が米ニュージャージー州に化粧品ラボを開設

シンエツシリコーンズオブアメリカ化粧品ラボ

  1. シンエツ シリコーンズ オブ アメリカ社(米国)が米ニュージャージー州に化粧品ラボを開設(2011年4月1日)

    (概要)当社100%子会社のシンエツ シリコーンズ オブ アメリカ(米国、SESA)は、化粧品用シリコーン素材の開発およびシリコーンを用いた化粧品の処方開発を主な目的とし、現地のユーザーに密着した活動を通じて米国市場のニーズを的確に反映した製品開発を加速させるため、ニュージャージー州トトワに化粧品ラボを開設した。
    同ラボは、当社のシリコーン製品の開発拠点であるシリコーン電子材料技術研究所と連携し、製品開発力を一層強化するための重要な施策だった。また、ユーザーの要望に迅速に応えることでカスタマーサービスのいっそうの向上を図るとともに、処方情報の発信基地としての役割も担った。これにより、競争力のある製品を迅速に米国内の市場に提供する体制を整えた。
    SESAの羽室社長(当時)は同ラボ開設にあたり、世界有数の化粧品メーカーが集まる米国市場で、ユーザーの多様な要望に応えることで販売強化を図る方針を示した。その後、化粧品ラボは現地の化粧品メーカーと密接に連携し、製品の開発スピードと品質向上に貢献することとなった。

2011/4/8

いわき半導体、操業再開

  1. (概要)当社グループ会社のいわき半導体(福島県)は、東日本大震災の発生により3月11日から休業を余儀なくされたが、4月8日に工場の操業を再開した。福島第一原子力発電所の事故による影響が懸念される中での復旧作業となったが、細心の注意をはらい周辺の安全確認を進め、設備の点検を経ての再開であった。 震災後も福島県内では余震が頻発し、特に4月11日に震度5の大きな余震が発生した。そうした中で、いわき半導体では、安全を最優先にしながら操業を継続し、関係者の献身的な努力により安定した生産活動の維持に努めた。その後、いわき半導体は4月19日までに全ての生産工程を立ち上げ、災害対策本部を同日に解散するに至った。これ以降も連続操業を順調に続け、震災後の生産体制の早期回復に努めた。

2011/4/20

信越半導体白河工場、一部の工程で操業再開

  1. 東日本大震災により、信越半導体白河工場は操業を停止した。工場建屋の構造体への被害は軽微だったものの、強い揺れにより製造エリアではパーテーションの外れ、天井・壁・照明器具の落下などが発生し、復旧には大きな労力を要する状況となった。
    震災後、白河工場では安全を最優先に、工場従業員および信越グループ各社の協力のもと、昼夜を問わず復旧作業を進めた。余震が続く中でも、早期の操業再開を目指して設備や構内の点検・修復を継続し、関係先からの支援も受けながら復旧に取り組んだ。
    その結果、同工場は4月20日より一部の工程で操業を再開した。場内の地面や道路に生じた亀裂、倉庫シャッターなどの損傷箇所も順次修復され、通常操業に向けた準備が進められた。その後も製造設備の完全復旧に向けた作業を継続し、被災前の生産能力への回復を目指して取り組みが進めた。

2011/5/23

高い吸油特性を発揮する化粧品材料、高機能シリコーン複合パウダーを開発

高い吸油特性を発揮する高機能シリコーンパウダー

  1. (概要)当社は、高い吸油特性を持ち、優れた柔軟性と滑り性を兼ね備えた高機能シリコーン複合パウダー「KSP-441」と「KSP-411」を開発し、販売を開始した。これらの製品は、シリコーンゴムの粒子表面をシリコーンレジンで被覆した独自の球状パウダーで、柔軟性と滑り性を両立させることで化粧品の製剤中での優れた分散性を実現した。これにより、各種化粧品に配合することで肌に柔らかくシルキーな感触を与え、皮脂などによる化粧崩れを防ぐ効果が期待された。特に、肌の表面における光の拡散効果も高く、自然で透明感のある仕上がりを実現できるため、化粧品の機能性向上に大きく寄与した。
    (反響) 同年5月25日から27日にパシフィコ横浜で開催された「第5回化粧品産業技術展」に、この高機能シリコーン複合パウダーをはじめとする新製品が出展され、研究者や技術者、プレス関係者から高い注目を集め、当社の化粧品原料分野における技術力と製品の優位性を広くアピールする機会となった。

2011/6/3

鹿島工場、全面的に操業再開

鹿島港に復興後、初入港した船舶

  1. (概要)当社の鹿島工場では、東日本大震災によって港湾のパースの地割れや液状化現象をはじめ、電力や水などのユーティリティー設備、港湾設備、道路などのインフラも大きく損傷するなど甚大な被害を受け、工場全体が操業停止を余儀なくされた。 震災後、関係者は復旧活動に全力を注ぎ、4月28日にはK-2プラントが稼働を再開し、5月20日から定期修理のため一時停止したが、6月3日に再稼働するに至った。また、大きな損害を受けた港湾設備も、関係者の尽力により復旧が進み、5月20日には震災後初めての船舶が入港した。さらに5月31日にはK-1プラントが再稼働するにいたった。前述の6月3日のK-2プラントの再稼働をもって鹿島工場は全面的に操業するに至り、震災による操業停止からの復旧を完了させ、通常の生産体制に戻った。

2011/7/1

信越半導体白河工場、全面的に操業再開

震災で破損したシャッター(修復後)

  1. (概要)当社100%子会社の信越半導体における半導体用シリコンウエハーの主力生産拠点である白河工場は、福島県西白河郡西郷村に位置し、東日本大震災により停電や設備の損傷が確認され、従業員の安全確保のため避難も実施され、地震発生直後から全面的な操業停止を余儀なくされた。震災後、白河工場では段階的な復旧作業に着手。安全第一で従業員全員で復旧作業に取り組み、「必ず工場を早期に再開させる」との強い信念のもとで作業を進めた。4月20日には一部操業の再開にこぎつけ、その後も順次稼働範囲を拡大して、計画停電の影響も考慮しつつ、6月末から7月にかけて被災前の生産能力に戻すことを目標に復旧を進めていった。
     この結果、2011年7月1日、白河工場は被災前の生産能力を完全に回復するに至り、さまざまな関係先からの支援に感謝しつつ全面的に操業を再開した。この白河工場の全面再開をもって、当社グループで被災した全生産拠点の復旧が完了した。なお復旧に当たって、当社グループは「安全を最優先」とする方針を徹底するとともに、設備の最適設計や製造工程の改良を進め、潜在的な危険の排除にも努めた。

2011/7/7

金川千尋会長に東京大学大学院から博士号が授与

金川会長に東大博士号が授与

  1. (概要)この日、信越化学工業株式会社本社で当社の金川千尋会長に対する東京大学大学院の博士号授与式が行われた。式は信越化学の役員一同と影山東京大学教授が列席するなか、厳かに執り行われた。授与式では東京大学前総長の小宮山宏社外取締役から金川会長に学位記が手渡され、小宮山取締役と影山教授の祝辞を受けた。金川会長は挨拶の辞を述べ、この栄誉を励みに、今後も高い目標を掲げて経営に邁進する意向を示した。
    (経緯) 金川会長は、塩ビ事業を高収益事業に育て上げ、当社100%子会社であるシンテック社(米国)を設立して世界最大の塩ビメーカーへと成長させた過程を、技術と経営の両面から考察した研究成果を博士論文としてまとめた。同論文は、厳正な予備審査および本審査を経て、その学究的な姿勢と旺盛な探求心も高く評価され、東京大学大学院工学系研究科より技術経営の分野で博士号(学術博士)が授与されるに至った。現役の企業経営者としては極めて異例の栄誉となった。授与は主要新聞でも大きく報じられた。

2011/7

シンテック社、プラケマイン第2工場の操業を開始(電解、VCM工場)

シンテックプラケマイン第2工場の操業を開始

  1. (概要)当社100%子会社のシンテック社(米国)は、ルイジアナ州プラケマインに建設していた第2工場の操業を開始した。第2工場は電解工場および塩化ビニルモノマー(VCM)工場を含み、塩ビ製品の原料生産能力を大幅に増強する重要な拠点となった。
     このプラケマイン第2工場は、2008年に建設を開始し、約3年の工期を経て完成した。工事は予算管理や工程管理が適切に行われ、工期中に発生したリーマンショックやハリケーンなどの困難な環境下でも遅滞なく進められた。これにより、当社グループは米国での塩ビ原料の一貫生産体制をさらに強化した。
     また、この第2工場の稼働により、シンテック社は塩素やVCMの生産能力を高め、原料の自社生産比率を高めた。原料の安定供給体制をさらに強固なものとして、同社は世界最大級の塩ビメーカーとしての地位を固め、積極的な市場拡大に向けた基盤を強化した。

2011/10/15

シンエツ マグネティクス タイランド社が洪水被害を受ける

  1. (概要)タイのパトゥムタニー県ナワナコン工業団地に所在する当社100%子会社のシンエツ マグネティクス タイランドの工場が、洪水により被害を受けた。洪水は建物の1階部分を完全に水没させ、最大で地面から2.5メートルの高さまで水位が上昇したため、工場は操業を停止した。 洪水発生時、現地の従業員は保安要員を除き自宅待機となっており、日本人スタッフはバンコクに滞在して対応にあたった。また、日本人スタッフの家族は安全確保のため、タイ国内の安全な地域へ移動するか帰国した。 シンエツ マグネティクス タイランドでは、完全に水が引いてから設備の能力復旧に着手した。現地社員や関係者の努力により、その後復旧が進み、被害を乗り越えて生産体制を回復させた。

2011/12/16

三菱化学、旭硝子、ADEKA、カネカと鹿島電解、鹿島塩ビモノマーの再編で基本合意したと発表

鹿島工場で生産している塩ビ

  1. (概要)当社は、鹿島コンビナート地区に所在する「鹿島電解」と「鹿島塩ビモノマー」の両社の運営に関し、かねて三菱化学、旭硝子、ADEKA、カネカの各社と協議を進めてきたが、この日、資本構成の再編で基本合意した。これにより、旭硝子、ADEKA、カネカの3社が両社への出資を引き揚げ、当社と三菱化学が出資を継続することが決まった。これにより当社が79%、三菱化学が21%の出資比率となり、鹿島電解および鹿島塩ビモノマーは当社の子会社として運営される体制に移行した。これは基礎原料である塩素やカセイソーダを生産する鹿島電解と、中間原料の塩ビモノマー(VCM)製造を担う鹿島塩ビモノマーの両社の経営効率化と事業の全体最適化を図ったもので、当社と三菱化学は引き続き両社の運営を担い、事業の安定的な継続と強化を目指し、旭硝子、ADEKA、カネカの3社は出資を引き揚げることを決定した 。
    この基本合意後、具体的な条件の協議を経て、2012年12月に出資比率の変更が実施された。これにより当社が主導する形で鹿島電解と鹿島塩ビモノマーの運営を行い、両社の製造プロセスの全体最適化を推進することとなり、当社の鹿島工場および関連会社が一体となって業務を遂行し、国内市場の厳しい環境下でも競争力を維持・強化する体制を整えた。

2011/12/22

第1回トムソン・ロイターTOP100グローバル・イノベーター・アワードを受賞

  1. (概要)「トムソン・ロイター Top100 グローバル・イノベーター・アワード」は、世界的な情報サービス企業であるトムソン・ロイター社が保有する知的財産データを基に知財動向を分析し、特に傑出している世界の企業100社を選出して表彰するもの。 本アワードの選考基準は、「成功率」(特許登録率)、「グローバル性」(特許ポートフォリオの世界的広がり)、「影響力」(文献引用における特許の影響力)、「数量」(特許数)の4つの項目から構成される。2011年の第1回アワードでは、世界の革新的な企業100社に日本企業が27社選出され、当社は各選考基準とも高い評価を受け受賞するに至った。なお、当社はその後も同アワードを受賞し、2025年には14年連続の受賞となった。