信越化学工業は創立100周年を迎えました信越化学工業は創立100周年を迎えました
第6章

困難を乗り越え、次の100年へ

新たな挑戦~シンテックでのエチレン工場新設~

2006-2026

この章で知れること

  • 東日本大震災やコロナ禍などの危機を乗り越えた信越化学の姿
  • シンテックでのエチレンの生産開始、56年ぶりの国内工場建設など新たな取り組み
  • 連結売上高2兆円、連結経常利益5千億円の達成

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新たな挑戦~シンテックでのエチレン工場新設~

2015/3/12

タイでシリコーンの生産能力の増強計画を発表

  1. 当社は主力事業の一つであるシリコーン事業の拡大を目指し、タイの工場の生産能力を大幅に増強すると発表した。これはシリコーンモノマーの生産能力を年産7万トンから10万5千トンへ約5割増加させる計画で、同時にシリコーンポリマーの生産能力も年産5万4千トンから7万4千トンへ約4割増強することを明らかにした。
     この増強計画は、タイ東部に位置するアジア工業団地内にある合弁会社アジア・シリコーンズ・モノマー(ASM社)および隣接するシリコーンポリマー工場を対象としており、投資額は約200億円を見込んだ。増設工事は2017年までに完了する予定で、これによって当社グループは海外における生産体制の強化と高機能シリコーン製品の需要増加に対応する体制を整えることとなった。
     さらに、当社は国内外の研究開発体制も強化を図り、翌2016年に群馬県のシリコーン電子材料技術研究所に新研究棟を設置したほか、米国ニュージャージー州にテクニカルセンターを新設するなど、製造と研究の両面でシリコーン事業のネットワークの拡充を推進。これらの施策により、シリコーン製品のグローバルな供給体制を強化し、世界市場での競争力を高めていった。

2015/4/9

台湾でのフォトレジスト関連製品の工場の新設計画を発表

  1. (概要)当社は、フォトレジスト関連事業の拡大を目的として台湾に新工場を建設する計画を発表し、台湾当局に建設許可を申請し、許可が得られ次第、工事に着手する予定を明らかにした。工期は約1年、投資額は約130億円を見込んだ。フォトレジストは半導体デバイスの製造に不可欠な感光性樹脂で、シリコンウエハーにレーザー光などの光を照射して集積回路を形成する露光工程で使用される。当社は、台湾に新工場を設置することで、従来の直江津工場(新潟県)と合わせて二拠点体制を構築し、アジア市場を中心としたフォトレジスト需要の増加に確実に対応を図り、事業のさらなる成長を期した。

2015/4/23

シンテック社、エチレン工場の新設計画を発表

  1. (概要)当社100%子会社のシンテック社(米国)は、かねて検討を進めてきた米国ルイジアナ州にエチレン生産工場を新設することを正式に決定し、発表した。エチレンは塩化ビニル樹脂(PVC)の主原料の一つであり、この新工場の建設はPVCの原料からの一貫生産体制を強化するための重要な施策であった。 新設されるエチレン工場の生産能力は年間50万トン、工場はシンテック社が既に所有しているルイジアナ州の工業用地に建設する計画で、建設費用はシンテック社の自己資金で賄うものとして、投資額は約14億ドル(約1700億円)を見込んだ。工場の完成は2018年前半を目標としていた。
    (補足)建設工事は主に東洋エンジニアリングが請け負い、米国ルーマス社の技術を用いて進められた。今回のエチレン工場建設は、日本の化学企業が米国でエチレン工場を建設する初の事例であり、シンテック社の塩ビ製造工程における原料調達の安定化と競争力強化に大きく寄与した。

2015/6/22

信頼性の高い太陽電池モジュール用シリコーン封止材を開発

シリコーン封止材が用いられた太陽光発電設備

  1. (概要)当社は、従来の太陽電池モジュール製造装置や工程を活用できるシリコーンゴムシート封止材を開発し、産業技術総合研究所(産総研)と共同で太陽電池モジュールを作製した。これにより、既存の製造ラインを大きく変更することなく新素材の導入が可能となった。開発したシリコーン封止材を用いた太陽電池モジュールは、屋内環境試験において優れた信頼性を示し、特に高耐久性やPID(潜在的誘導劣化)現象による出力低下の抑制効果が確認された。これにより、長期にわたる安定した発電性能が期待できることが明らかになった。
    (関連)2015年10月18日、韓国で開催された第5回アジアケイ素化学会議で当社シリコーン電子材料技術研究所の大和田寛人社員が、太陽電池モジュール用シリコーン封止材をテーマに講演を行った。評価試験の結果を中心に発表し、関係者の注目を集めた。

2015/6/23

中国湖北省に長飛信越光棒有限公司を設立(中国YOFC社との共同出資、出資比率51%)

  1. (概要)当社は、中国最大の光ファイバーメーカーであるYangtze Optical Fibre and Cable Joint Stock Limited Company(YOFC社)と、中国湖北省に光ファイバー用プリフォームの工場を建設し、製造および販売を行うことを目的とした合弁会社設立の契約を締結。同合弁会社は信越化学が51%、YOFC社が49%の出資比率で、資本金は80億円、総投資額は約125億円を見込んだ。
     新合弁会社の社名は「長飛信越光棒有限公司」と定められ、所在地は武漢市の西約150kmに位置する湖北省潜江市で、その工業団地内に工場が建設された。工場は2016年下半期の稼働開始を目指した。

    (意義)長飛信越光棒有限公司の設立は、光ファイバープリフォーム事業の中国市場での拡大を示す重要な一歩であった。既に江蘇省江陰に信越(江蘇)光棒有限公司を設立し生産を開始していたが、湖北省での新工場稼働により、中国における光ファイバー需要の急増に迅速に対応可能となった。YOFC社との連携により、中国の光通信業界をリードするハイテク企業との協力体制を強化し、5GやIoTの普及に伴う通信量増加に対応する基盤を確立した。

2015/10/26

シリコーン事業で群馬、直江津、タイなどに200億円の設備投資計画を発表

シリコーン製品群

  1. (概要)当社は、主力事業の一つであるシリコーン事業において、国内外の複数拠点で総額200億円の設備投資を実施する計画を発表した。これは事業の拡大と安定供給体制の強化を図るもので、群馬県の群馬事業所、新潟県の直江津工場、タイの生産拠点を対象とした。直江津工場では約30億円を投じ、船舶用塗料の材料として用いられるシリコーン製品の製造設備を新設することとし、群馬事業所や武生工場(福井県)も含めた複数の工場では、省エネルギーや生産性向上を目指した最新設備の導入を進め、環境負荷の低減や先端技術への対応を強化した。また、タイの生産拠点では、新たな事業用地の取得を含めて設備投資を行い、生産能力の増強を目指した。これらの設備投資によって、国内外の需要拡大に対応し、世界規模で供給体制の強化を図った。なお、これらの設備投資は2017年3月までに順次完了し、操業を開始した。

2015/12

シンテック社、塩ビの年産能力30万トンの増強を完了、年産295万トンに拡大

  1. (概要) 当社100%子会社であるシンテック社(米国)は、ルイジアナ州の工場における塩化ビニル樹脂(PVC)の生産能力を年産30万トン増強するプロジェクトを完了。これにより、シンテック社の塩ビ樹脂の年間生産能力は295万トンに拡大し、米国市場で圧倒的なシェアを確立した。この増強は、同社が世界最大の塩ビメーカーとしての地位をさらに強固にする重要な一歩となった。
     この増強と並行して、シンテック社は塩ビの原料である塩素とエチレンの自社生産体制の拡充にも取り組んだ。特にエチレン工場の建設により、原料から製品までの一貫生産体制を確立し、原料の安定調達とコスト競争力の向上を実現し、顧客への製品供給の安定性が大幅に向上し、北米市場での競争優位性を高めた。

    (意義)このシンテック社の生産能力増強は、当社グループの連結業績向上に大きく貢献した。2017年3月期の第2四半期連結決算では、塩ビ・化成品事業(当時)の営業利益が前年同期比26%増の301億円となり、グループの利益成長を牽引した。シンテック社は「フル生産・全量販売」を継続し、安定した収益基盤を築くことで、信越化学のグローバル展開と持続的成長を支えた。

2016/2/2

シリコーン電子材料技術研究所の新研究棟が完成

池に映るシリコーン電子材料技術研究所

  1. (概要)この日、当社シリコーン電子材料技術研究所の新研究棟の竣工式が執り行われた。同研究所はシリコーン事業分野での国内最大の研究拠点として、顧客との共同研究を推進し、電気・電子、エネルギー、半導体などの有望分野での製品開発を一層進める方針を示した。新研究棟には最先端機器が導入され、ヘルスケア、化粧品、自動車、電子材料など多岐にわたる用途に対応可能となり、シリコーン製品の研究開発能力が大幅に向上した。また、既存の研究棟と連携し、顧客と同等以上の評価体制を整備したことで、新商品の開発が加速された。
     式典には森俊三社長をはじめ、上野常務取締役や池上取締役などの役員が出席し、事業所関係者や設計・施工に携わった業者約70名が参列した。神事は咲前神社の宮司によって厳かに進められ、森社長ら代表者が玉串を奉奠した。席上、森社長は無事故での建屋完成を高く評価し、今後の製品開発力強化と新用途開発に期待を寄せた。

2016/2/24

当社発行の「環境社会報告書2015」が第19回環境コミュニケーション大賞優良賞を受賞

環境コミュニケーション大賞表彰状

  1. (概要)環境省および一般財団法人地球・人間環境フォーラム主催の第19回環境コミュニケーション大賞において、当社が 2015年6月に発行した「環境・社会報告書2015」が、環境報告書部門の優良賞を受賞した。環境コミュニケーション大賞は、優れた環境報告書を表彰し、事業者の環境経営や環境コミュニケーションの取り組みを促進するとともに、環境情報開示の質の向上を目的とした権威ある表彰制度。2016年2月24日に都内で開催された表彰式で同賞受賞者が発表され、当社と当社グループの信越ポリマーの2社が同時に優良賞を受賞するという快挙となった。両社の環境・社会報告書2015は、環境への配慮や社会的責任に関する取り組みを詳細に報告しており、ステークホルダーに対する情報開示の質の高さが評価された。環境報告書の内容は今後の環境活動の指針として活用され、持続可能な社会の実現に向けた取り組みをさらに深化させる契機となった。

2016/3/24

SEタイローズルイジアナ社のヒドロキシエチルセルロースの工場が操業開始

P22HEC水性塗料RF

  1. 当社グループのSEタイローズルイジアナ社(米国)はルイジアナ州プラケマインにあるシンテック社の工場敷地内にヒドロキシエチルセルロース(HEC)製造工場を新設。この日、開業式を開催した。新工場は、当社100%子会社であるSEタイローズ社が米国市場におけるセルロース誘導体製品の供給体制を強化するために建設したもの。工場はシンテック社が所有する約9百万坪(約7千エーカー)の敷地の一画に位置し、年産9千トンの生産能力を有していた。 新工場の操業開始により、SEタイローズUSAは水性ペイントの添加剤として使用されるHECの製造を本格的に開始した。社員はドイツの親会社からの支援を受けながら品質向上と生産性の向上に努め、米国市場での事業拡大を目指した。開業式には州経済開発局や地元自治体の関係者、建設業者、シンテック社の関係者らが出席し、新工場の操業開始を祝った。

2016/6/29

斉藤恭彦、代表取締役社長に就任

  1. (概要)第139回定時株主総会終了後に開催された当社取締役会において、斉藤恭彦副社長が代表取締役社長に選任され、森俊三社長は取締役相談役に、秋谷文男副社長は代表取締役副会長に、それぞれ就任することが正式決定された。金川千尋会長は引き続き会長職に留任し、当社は新体制のもとでさらなる発展と安定した経営基盤の強化を図ることとなった。
     社長に就任した斉藤恭彦は、1978年に当社に入社。2001年に取締役、2002年に常務取締役、2005年に専務取締役などを歴任。2010年より副社長を務めていた。

2016/10/27

シリコーンで直江津工場の生産能力の増強計画を発表

  1. (概要)当社主力事業の一つであるシリコーン事業において、新潟県上越市にある直江津工場内に新工場を建設し、生産能力を増強すると発表した。これはシリコーン事業で継続的に進めてきた生産能力強化の一環であり、特に高機能製品の需要増加に対応するための重要な施策であった。増強された生産設備は、オイル系、レジン系、ゴム系の最終製品の製造能力を向上させ、環境負荷低減や省エネルギー技術の導入も視野に入れたもので、同工場のシリコーン製品の供給体制を強化し、国内外の需要拡大に対応することを目的とした。また、シリコーンゴムの成形・加工を支援するテクニカルサービスの拡充も含まれており、埼玉県東松山市にあるテクニカルセンターの拡張も同時に発表した。これにより、製品の品質向上と顧客ニーズへのよりきめ細かな対応が可能となった。

2016/11/22

武生工場池ノ上分工場内にフォトマスクブランクスの工場が完成

マスクブランクス

  1. (概要) 当社が武生工場(福井県)の福井県越前市の池ノ上分工場内で建設を進めてきたフォトマスクブランクス新工場が完成した。これは2015年6月18日に発表したフォトマスクブランクス事業拡大計画の一環で、最先端のフォトマスクブランクスの需要増加に対応するとともに、生産拠点の分散化により半導体製造材料の安定供給とリスク分散を図ったもの。投資額は約70億円で、2015年10月に起工式が行われ、2016年11月22日に無事竣工を迎えた。 竣工式には社内外の関係者約35名が参列し、新建屋内で厳粛に竣工神事が執り行われた。式典では各代表者が玉串を奉奠し、安全操業と事業のさらなる発展を祈願した。

2016/12

シンテック社、塩ビモノマーの生産能力30万トンの増強工事を完了

  1. (概要)当社の100%子会社であるシンテック社(米国)は、ルイジアナ州において塩ビモノマーおよび塩ビ樹脂、か性ソーダの生産能力を増強する大規模な工事を実施。増強工事は2016年12月に完了し、塩ビモノマー(VCM)の生産能力を年間30万トン、塩ビ樹脂(PVC)も同じく30万トン、か性ソーダは20万トン増強した。これにより、シンテック社のPVC総生産能力はルイジアナ州とテキサス州の工場を合わせて年間295万トンに達した。
     この増強工事にはシンテック社の自己資金で約5億ドル(約500億円)の投資が行われた。増強工事は、塩素からPVCまでの一貫生産体制の強化を目的としたもので、この増強工事によって原料の安定確保を実現した。特に、VCMの増産は、北米市場における需要増加に対応するための重要な施策であった。これにより、シンテック社は競争力を大幅に向上させ、北米を中心とした市場での販売拡大に寄与。塩ビ・化成品事業の営業利益を大幅に増大し、当社連結業績に大きく貢献した。